当社は、社内でAIモデルを稼働させるための設備として、NVIDIA DGX Spark を導入いたしました。本稿では、電源投入から手元のPCより接続できる状態になるまでの手順と、その所要時間をご紹介いたします。

導入の背景

DGX Sparkは128GBのメモリをCPUとGPUで共有する構成であり、単体で最大2,000億パラメーターのモデルの推論に対応しております。一般的なGPU単体のメモリには収まらない規模のモデルについても、データを社外に出すことなく検証できるようになります。

DGX Sparkの概要

  • チップ:NVIDIA GB10 Grace Blackwell スーパーチップ(20コアのArm CPUとBlackwell世代のGPU)
  • メモリ:128GB(LPDDR5x、CPUとGPUで共有する統合メモリ)
  • AI性能:最大1 PFLOP(FP4、スパース演算時の理論値)
  • ストレージ:4TB NVMe
  • OS:NVIDIA DGX OS
  • 本体寸法:150 × 150 × 50.5 mm、1.2kg

机の上に置いたNVIDIA DGX Spark。前面は金属のフォーム素材で、左右に取っ手がある

机の上に置ける大きさで、前面は金属のフォーム素材で覆われております。

セットアップの流れ

本体にモニター、キーボード、マウス、有線LANを接続し、電源を入れて作業を開始いたしました。電源投入から手元のPCより接続できるまでに要した時間は、途中の休止を含めて約50分です。

1. 初期設定(約7分)

電源を入れると、初期設定の画面が起動します。キーボードとマウスの接続確認、表示言語、タイムゾーン、キーボードレイアウト、ソフトウェア使用許諾契約への同意、アカウントの作成、分析データの提供可否を順に設定いたします。

初期設定の最初の画面。Welcome To DGX Spark と表示され、接続したキーボードとマウスが一覧に出ている

2. システムとファームウェアの更新(約25分)

初期設定を終えると、システムの更新のダウンロードとインストールが自動で始まります。続いてファームウェアの更新が行われ、その間に数回再起動いたします。当社の環境では、システムの更新に約11分、ファームウェアの更新と再起動に約13分を要しました。

DGX Spark を更新しています と表示され、システムの更新の進み具合が緑のバーで示されている

更新の間は操作の必要がありません。更新をダウンロードするため、あらかじめネットワークに接続しておくことをお勧めいたします。更新が終わるとログイン画面が表示され、電源投入からここまでが約30分でした。

3. 起動後の確認

ログイン後、ブラウザで http://localhost:11000 を開くと、DGX Dashboard が表示されます。初期設定で作成したアカウントでサインインすると、更新の有無を確認し、適用することができます。当社の環境では、初期設定の時点で最新の状態となっており、追加の更新はありませんでした。

ターミナルで nvidia-smi を実行し、GPUが認識されていることを確認いたしました。

nvidia-smi の実行結果。GPU名は NVIDIA GB10、Driver Version 580.178.04、CUDA Version 13.0 と表示されている

  • GPU:NVIDIA GB10
  • ドライバー:580.178.04
  • CUDA:13.0
  • Docker:29.6.2(あらかじめ導入済み)

メモリ使用量の欄が「Not Supported」と表示されているのは、GPU専用のメモリを持たず、CPUと共有する統合メモリの構成であるためです。

4. 手元のPCからの接続(数分)

NVIDIAが提供する NVIDIA Sync を手元のPCに導入すると、同じネットワーク上のDGX Sparkが自動で検出されます。画面の案内に従って追加すると、DGX Dashboard、リソースモニター、ターミナル、VS Code をメニューから起動できるようになります。NVIDIA Sync は macOS、Windows、Linux に対応しております。

NVIDIA Sync の画面。左は同じネットワーク上で見つかった本体が一覧に出ている画面、右は接続後に DGX Dashboard、Resource Monitor、Terminal、VSCode を選べるメニュー

ターミナルを選ぶと、NVIDIA Sync が設定したSSHの接続先で、本体のシェルが開きます。SSHの鍵や接続先の設定を手作業で行う必要はありませんでした。

ここまで完了すれば、本体にモニターやキーボードを接続しておく必要はありません。以降は手元のPCから利用いたします。

所要時間のまとめ

  • 初期設定:約7分
  • システムとファームウェアの更新(再起動を含む):約25分
  • 起動後の確認と、手元のPCからの接続:約10分

全体で約50分のうち、半分ほどは更新を待つ時間です。作業者が操作する時間は限られており、特別な準備も必要ありませんでした。

お問い合わせ

当社では、ローカルLLMの導入に向けた機材の選定から、構築、導入後の運用までを一貫してお引き受けしております。社内に閉じた形でのAI活用をご検討されている場合は、適用可否のご判断の段階からご相談を承っております。

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